心の準備ができたときに ― 納骨のタイミングについて考える

心の準備ができたときに ― 納骨のタイミングについて考える

先日、お客様からこんなお話を伺いました。
昨年の夏に、五十代半ばのご親族が急な病で亡くなられたそうです。
あまりにも突然の別れで、葬儀が終わったあとも深い悲しみの中、心が追いつかないまま時間だけが過ぎていったといいます。

その後、翌年の春にはお客様のお父様も旅立たれ、二つの大きな別れが続きました。
世間では「四十九日までにお墓を用意して納骨するのが一般的」と耳にすることがありますが、実際にはその通りに進めるのはなかなか難しいものです。
藤枝市・焼津市・島田市など、地域の風習に触れる機会が多い場所でも、ご家族の気持ちが追いつかないことは決して珍しくありません。

お話によると、ご親族の納骨は一年以上が経ってからだったとのことです。
お父様についても、亡くなられてから半年以上が過ぎた今になって、ようやく納骨のことを考え始められたそうです。
少しずつ、時間をかけながら、お母様が「そろそろお父さんを安らかに眠らせてあげたい」と思えるようになってきた――そんな心の変化を、ていねいに語ってくださいました。

こうしたご相談を伺う中で、「納骨のタイミング」に悩まれているご家族は決して少なくないのだと感じます。


「普通のタイミング」って、ほんとうにあるの?

納骨の時期については、「四十九日」「百か日」「一周忌」など、さまざまな区切りが語られます。
たしかに多くのご家庭では、これらのタイミングで納骨をされることが多いようです。

けれども、その時期がすべての方にとっての「正解」というわけではありません。

お墓の準備が整っていなかったり、気持ちの整理がつかなかったり、遠方に住むご家族の日程が合わなかったり――事情は本当にさまざまです。

また、仏教の教えの中でも、形や決まりごとだけでなく、「故人を思う心」を大切にする考え方があります。
いつ納骨するかという“日付”よりも、その日を迎える家族の“思い”こそが供養の中心なのだと思います。

納骨時期の目安をやさしく示す、カレンダーと仏具の色鉛筆イラスト


「心の整理」と「納骨のタイミング」

大切な人を見送ったあと、時間が止まってしまったように感じることがあります。
何かを決めようとしても、気持が追いつかない。書類や段取りは進んでも、心だけが置いていかれてしまう。そんな状態になることも珍しくありません。

今回のお客様のご家族も、しばらくの間は納骨のことを具体的に考えることができなかったと話してくださいました。
しかし、月日が経つなかで、少しずつ気持ちが変化していきます。

「今なら、お父さんの眠る場所のことを考えられるかもしれない」
「安らかな場所を用意してあげたい」

そうした想いがご家族の中で自然に芽生えてきたとき、そこがそのご家族にとっていちばん穏やかな納骨のタイミングなのかもしれません。

誰かに急かされて動くのではなく、心が「そろそろ」と感じたとき。
そのペースを大切にしてよいのだと思います。

心の整理が少しずつ進む様子を表す、木漏れ日と小さな花の色鉛筆イラスト


焦らなくてもいい ― これからの供養のかたち

納骨は「しなければならない作業」というより、心を整え、故人とのつながりを改めて感じるためのひとつの節目です。
早く済ませることが良いわけでも、時間がかかることが悪いわけでもありません。

大切なのは、
「どんな場所を選ぶか」
「どんな気持ちでその日を迎えるか」
ということです。

近年は、形式にとらわれすぎず、静かに故人と向き合える環境を望まれる方も増えています。
藤枝市や焼津市、島田市などでも「自分たちのペースで供養したい」という声が増えており、暮らしの中でふと手を合わせられる場所を求める方が多くなっています。
日々の中でそっと語りかける時間が続いていくことこそが、供養の原点なのだと感じます。

福てらす墓園の家族墓・樹木葬


まとめ

納骨のタイミングに“これが正解です”と言い切れるものはありません。
ご家族それぞれの事情や、心の歩みのペースがあり、「今なら」と感じられる瞬間も人によって違います。

だからこそ、ゆっくりでいい。焦らなくてもいい。
残されたご家族の心の準備が整ったとき、そのときこそが、そのご家庭にとっていちばん自然な納骨の時期なのだと思います。

そして、静かに故人を見守りながら、ご家族が心を整えていけるような環境を選ぶことも、とても大切です。
その方らしい眠りの場所と、ご家族の思いに寄り添う時間。

藤枝市にある福てらす墓園では、一つひとつのご縁の中で、これからも「そのご家族のペース」を大切にしながら、納骨やお墓のことをご一緒に考えていければと思います。

福てらす墓園の家族墓・樹木葬


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(福田山 最林寺敷地内)

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